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激おこパオリーノ「僕のミランをぶち壊し」

私事ですが、確定申告と、延びて延びて3年半続いた仕事の今度こそ最終校了が重なって、しばらくサッカー界隈から離脱。ウディネ、アトレチコ、パルマ戦と昨日まで観戦できなかったのですが、ミランさんがっくりな結果になったようで…。ラツィオ戦はこの目でそのダメっぷりを見てやるからね!

このタイミングで、不満をためにためてる(=過激なこと言ってくれる、メディア的にオイシイ)人物、パオロ・マルディーニの独占インタビューをとってくるガゼッタの適切な仕事っぷりは見習いたいと思いますね。商売は機を見るに敏でないとw

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↑18日ガゼッタ1面「僕のミランをぶちこわした」


僕のミランを投げ出した!
再びマルディーニ、攻撃する「ガッリアーニは全能だと思っている。バルバラは私をミランに望んだのに…」

ロッソネリ元カピターノ「プロジェクトが存在しないし、クラブにはふさわしい組織がない。しかし僕はSDにはふさわしくないと言われた」

フィジカルの苦痛に加えて、感傷につながる痛み。パオロ・マルディーニはちょうど松葉杖は使わなくなったところだが、まだ歩くのに苦労している。チャリティマッチ中に関節間軟骨を痛めたのだ。「3分間プレーして、壊れた。スポーツできないのは辛い。運動後の身体の疲れが恋しいよ」。それに加え、まだとても愛し続け自分の日々を捧げているミランのことがある。

—マルディーニ、日曜日の試合は見ましたか?

「うん、アトレチコ戦も、ここ最近2年間の試合はほぼ全て見てるよ。私の中では怒りと落胆の気持ちがないまぜになっている。この気持ちの大半は順位という結果のせいじゃない。過去にも10位や11位になったことはあったからね。そうじゃなくて、過去10年間かけて一所懸命築き上げて来たものが投げ出されてしまったと感じているからだ。これがとても気分が悪い。ミランは人々の相乗効果によってより大きくなる勝利のサイクルを持ち続けるという幸運を得て来た。多くの偉業のバックボーンとして、どれほど多くのそういう仕事があったのかを私は知っている。そしてそれによってこのようなすばらしい歴史を築き上げてきたんだ。それがみんな壊されてしまったのを見ると気が狂いそうだ」

—この状況はどこから来たのでしょうか?

「勝利のメンタリティを持つ多くの選手が居なくなったことからだ。成功するかどうかはまずなにより、人間によるのだと信じている。ミランではこの25年の間に多くの選手が通り過ぎていった。しかしその中でクラブで働いている人たちは? いないじゃないか。ミランの歴史的選手で今居るのはユース部門責任者のフィリッポ・ガッリ。それからタッソッティだけだし、彼はシーズン終了時に出て行くのではないかと感じている。もしそうなったら、これはまた愚行となるよ。歴史的人物をまた失うことになる。それが本当にならないことを祈っている。バイエルンとレアルのバンディエラたちはクラブで働いているね。この点がまずミランの第一に大きな問題だ。ユーベはそれをわかっていて、成功に到達するやり方を知っているイタリア人のしっかりしたグループから再出発の構築をした」

—そのような言い方だと、『pro domo sua』のスピーチのように聞こえますね(『Cicero pro domo sua』ラテン語慣用句:自分の家のためのキケロ=共和制ローマ期政治家)。※自分を幹部入りさせないことから生じたミラン批判のように聞こえるということ。

「わかるよ。でも僕のは個人的な話じゃないんだ。自分が食べたお皿につばを吐くようなことだと思う人もいるかもしれない。でもそうじゃない。ミランがこんな状況にあるのを見るのは辛いんだ。僕の2人の子供はミランのユースでプレーしてる。1人はブレシアへレンタル中だ。自分は今もクラブの一部だと感じているんだから」

—バルバラ・ベルルスコーニとファンたちは、ミランが間違ったお金の使い方をしていると指摘してきました。同意しますか?

「クラブはもうユーベとは競え合えないし、ヨーロッパのトップ10の中に居ない、だから他の目標を持つことをはっきりさせる方がいい。プロジェクトというものが存在していない。明日ではなく今日のことを見ているだけだ。移籍金ゼロと言うだけではなく、プレーで機能する選手を買わなくてはならない。1度はフリー獲得も成功となり得たが、ずっとは無理だ。そしてもしそのフリー獲得の選手と過度に高額な契約をしてしまったら、それも役に立たない。しかし問題はもっと構造的なものだ」

—それをもっとよく説明してください。

「ミランはとても多くの人々を雇っているが、スポーツ面の組織は下部構造となって下におかれている。ガッリアーニはとてもすばらしいディレクターだが、選手たちを理解することはできない。彼が全てのことをやる、それは不可能だ。もしいつも同じ代理人、特定のひとりに任せていたら、一度はうまくいっても、またそうなるとは限らない。仕事のベースにはそれに対する知識が必要だ。ここ数年のブライダは蚊帳の外の人間になっていた。以前はレオナルドが居た。彼がその選手がミランにふさわしいかそうでないかを理解するのを助けていた。レオが全力を尽くして私をスポーツディレクターにしようとしてくれた時にガッリアーニが『時代遅れな役割だ(E’ una figura superata)』と言ったことを覚えている。それは間違っている。もし能力がある人材が回りに居れば間違いを犯すことも少なくなる。ピルロの例をあげよう:もし監督が『アンドレアは終わった選手で、私はもう必要ない』と言って来たら、『そうじゃない。ピルロはクラブの財産だ、残るべきだ』と答える誰かがクラブにいるべきなんだ。そうしたらおそらく、ユーベに有利にことを運ばせることもなかっただろう。さらなる障害として、今のミランは高いレベルのスカウト網を持っていないことが許されないことだ。前は最良の選手を選ぶことができた。今はチームで機能する選手を獲得しに行く必要がある。ミランはもっと小さくても良いクラブに比べて遅れをとっている」

—しかし、ガッリアーニのマネージメントで長年すばらしい成果を上げてきました。

「そうだ。でもその結果はただひとりの人間だけによるものではない。ガッリアーニはスポーツでも他でもどの分野でも唯一無二の基準点となる人物だ。以前との違いは、前のミランにはロッカールームをマネージメントできる強いグループがあったことだね。もし誰かがまっすぐでなければ(きちんとしていなければ)、私たちで彼を隊列に正して入れる。おそらく人々はガッリアーニだけがやっていたと考えるに違いないのだが、そこには正しい知識を持った人々の集合知もあったし、ベルルスコーニはもっと多くの投資をしていた。勝利のメンタリティを持ったたくさんの選手が居なくなったことで、みんな壊れてしまったんだ」

—ガッリアーニは残るべき?去るべき?

「それは私が言うことじゃない。人は全能だと感じると、その結果が他の人たちのおかげでもあることがわからなくなるのだと思う。勝利のためにはアイデア、プロジェクト、大いなる情熱が必要だが、今のミランには情熱だけが残っている。それでは充分じゃない」

—バルバラはミランを率いられるレベルの人物?

「わからないよ。周りの協力者による。サッカーとサッカー選手に精通しているとは思わない」

—数ヶ月前、あなたのクラブへの復帰が間近だという話がありましたね。それはどのように終わり、どうしてだめになったのですか?

「バルバラとは2回話し合いをした。責任の分割の後、ガッリアーニの後任としてテクニカル部門を任されることを示唆された。でももう誰からも連絡はない。彼女は今まで私がこう話してきた全てのことをクラブに持ち込むために私を望んでくれ、私はスポーツ部門での役割を担う準備をしていた。でもそれから続く話はなかった」

—クラブの過ちはどのくらい?

「確かなことは、この状況が選手たちの助けにならないことだ。過去にも問題はあった。しかしいつも監督、カピターノ、選手たちによってミラネッロ内でマネージメントされていた」

—セードルフはロッソネリのバックグラウンドを持っています。この時期に適切な監督でしょうか?

「経験がないのは当然のことだ。彼にはすばらしい勇気とパーソナリティがある。でも今の状況ではグアルディオラでさえ何もできないだろう。クラレンスを責めることはできない。はっきりした目標がないんだから。シーズン最後までたどりつくためには、たぶんもっと維持することに適した監督にして、来季から良いスタートを切るようにすべきだったかもしれない。このままだと壊滅的にダメになる恐れがある」

—アッレグリは解任した方が良かった?

「順位はひどかった。でも違う監督ならもっとうまくやれたに違いないとか、それによってシーズン中に状況が変わるはずとは全く思わなかった」

—インザーギは将来有望な監督候補となり得ますか?

「彼はユース部門で2年間経験を積んで、これは重要な事だ。しかし監督初心者はつぶされないためにとても強力な周りからのサポートが必要だ。サッキとカペッロは最初同様だったが、彼らは偉大なカンピオーネたちを頼りにできた」

—チームは順位が示しているように力不足?

「順位は能力の価値を反映するものだ」

—ロッカールーム内の分裂という話も聞こえてきますが。昔のチームメイトたちから何か聞いていますか?

「いいや、誰とも話していないし、そういう噂はあまり信じない。でもこういう場合はえてして、奇妙な状況の中で過ごすことになる。居心地が悪くて、不安を感じて、それがパフォーマンスに影響されるグループもあるし、その一方でおそらくもうすでに出て行くことがわかっているからあまり影響を受けない選手たちもいる。そこでも人の選択は重要だ」

—1996年から1998年にかけて、ミランは11位と10位でした。しかし99年にはスクデットを獲得しています。このようなシーズンと同じようなことがあると思いますか?

「今のミランはあの頃とはかけはなれている。チームを再構築するためには多くの投資が必要だよ。当時は再出発するのに修正だけで充分だった。2007年にCL優勝した時、ガッリアーニに『僕らがヨーロッパでベストだと思ってはいけない。そうじゃないんだ』と言った。改革なしでは没落が始まると、私はすでにわかっていた。あれが落ちて行く最初のステップだった。でも最終的な痛手はイブラヒモビッチとチアゴ・シウヴァの売却だったね」

—競争力あるミランを見るためにはどのくらいかかりそうですか?

「それは目標による。ファンたちは勝利するミランだけを望んでいるとは思わない。彼らは将来のプロジェクトを見たいんだと思う。世代交代は致命的に必要なことだ」

—バロテッリは過剰評価でしょうか?

「彼はまだカンピオーネじゃない。パトの話も同じだ。彼がチームを背負って90分間ひっぱる日が来たら、その時はカンピオーネになったということだ。これまで彼はそれを時々しただけだ。彼のことは知らない。でももしも、はっきりしたアイデアを持ったチームと厳しい監督とイタリア人の堅固なグループがあるユベントスに行ったら、彼は飛躍するだろうという印象を持っている。とにかく、全てを彼の肩に背負わせるのは間違ってる。彼は救世主じゃないんだ」

—あなただったら(今回のように)クルヴァとの話し合いに行くことを受け入れていましたか?

「私はずっとそういうことを嫌っていた。自分が最もそれを体現している一人であった時に、もっと身を入れて働けと年下の若者たちが言うのは決して受け入れなかった。彼らが満足しなければ私はブーイングされる。でもそれでおしまい。私たちが全てを勝ち取った2007年のことを思い出す。6ヶ月間、私たちはクルヴァに応援してもらえなかった。私は怒ったよ。理解できなかった」

—ベルルスコーニが不在すぎるのでは?

「現在の状況を見ると、彼があまり関わっていないことがはっきりする。私が知るベルルスコーニはスポーツ的な観点からいろいろな助言を与えていたのだから」

(Gazzetta dello Sport 14/03/19 第2面)


パオロさん、膝をやっちゃったのかあああああ。最後の数シーズンはもう膝軟骨がすりへりきってしまってたから、もしや人工関節も近い将来…なんて心配してたのですが、元気にいろいろやってたし安心かと思いきや。チャリティマッチで大怪我するマジさ加減も、パオロさんらしいといえば、らしい。この記事でも言ってるように、引退してなにが無くなって恋しいかというと、短パンはけないのと運動した疲労(fatica)だっていうんだから、ほんとにすばらしきスポーツジャンキーであります。

それにしてもこれまたぶっちゃけました。すべて正論ではあるし、バルバラの改革案はほぼパオロさん案かあと見直した(ごめんなさい、いつも私はパオロさん過小評価w)。そして、これを言うにふさわしい、言ってもいい人物といったらパオロ・マルディーニしかいないと思う。

思うよ、思うけども! お金が潤沢にある時ならこの正論が活かされるのだけどなあ…セーさんの正論や理想のアイデアもそうだけど、この理想を大切な芯にしながらプロジェクトを遂行するため、厳しい現実と折り合いをつける優秀な実務家が傍らに必要だと思うんですよ。そういう意味では理想主義者パオロさんと清濁合わせ呑める度量のあるガリの組み合わせは悪くないのに。まあガリがそんな下の立場に進んでなるとは思えないですが…。

レオさまも得難い人材だったのに、むりやり監督にしてベル爺と袂をわかつことになったし、このままセーさんもその道を歩ませたらイカン!

と、いろいろ言いたいことあれど、じゃあどうしたら、どうなったらいいかというと、ほんとに誰かひとり変えればいい話じゃない『構造的』な改革が必要なんだろうなあ…とぼんやりしてしまうミランのグダグダな状況ではありますね。たとえばマルディーニがミラン幹部になったら全て良くなる!なんていう幻想は、バロテッリひとりが今のチームを救う救世主と同じくらい無理だから!w

と言っててなにも変えないのもアレだから、ひとつずつ変えて行くしかないんだろうな。ガリの権力集中を分割した『バルバラの変』もその一歩。バルバラの掲げた「優秀なスカウト網とSDによる若手優秀選手の発掘」「元ミラン選手の人材活用」「自前スタジアム建設などモダン経営」などを実現するために、どれが正しい道かはまだわからないけれど、あっち行ったりこっち行ったり蛇行しながら1歩進んで2歩下がったりしながらも前に進んで行ってくれるといいです。

そんなミランを茶化しながら見守り応援するのは変わらずにいたい。ミランを見守る疲労(fatica)が無くなるときっと恋しくなる、そんなミランジャンキーになってしまったんだなあトホホ…と苦笑いする応援12年目(ああ、遠い目)。