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レオインテル?!

※末尾にレオインテル監督決定後のガッリアーニのコメント追加。

確かにデルビーでミランに負けて、その後もずるずると10ポイント差になり、11月「ベニテスはパネットーネを食べられない」という見出しが紙面を飾る頃、後任候補のトップはカペッロにスパレッティ、それにレオナルドだった。でもねーその時は『まっさかー』って思ってましたよ。

しかしその後、チーム状態は改善されないまま、徐々にレオインテルの可能性をしばしば報じられるようになる。

優勝してもダメだろうと言われてましたが、CWC優勝後にベニテスが不満をぶちまけたので、モラ会長がキレちゃった。23日昼、ベニテスの解任を公式発表。スパさんのゼニト契約解除は不可能ということで、レオが後任ポールポジションに。

23日夜にはレオ様の含みのあるコメントも出始める。

SKYのマイクに「今わたしが言える唯一の事はみなさんメリークリスマスという事だけ。何も知らないんだ…。君たちよりも知らない」

(Milan News.it 10/12/23)


レオインテルの可能性大である事をSKYに聞かれたガッリアーニ。

「彼がインテルへ? どうリアクションしていいかわからないな。確かに彼はミランと重要なストーリーを分かち合っている。1997年、レオナルドを獲得するためにパリへ行った時の事は完璧に覚えているよ。彼はミランで13年間過ごしたが、特別な道のりをたどった:まずは最初はサッカー選手(4シーズンと1試合)、それからマネージャー、それから監督だ。昨年うまくいかなかったのは、多くのけが人のせいだ。3位以上に行けたはずだ。レオナルドとベルルスコーニ会長との間には何かお互い理解不可能な事があって、それが私には残念だ」

(Milan News.it 10/12/23)


ガリはレオをミランの監督へと説得し、その後も盛り立てていたから、こういうコメントになりますよね。

リオデジャネイロでバカンス中だったレオは24日ミラノに到着。

ラノッキアの件でジェノアとの会合中だったモラ会長は24日昼に…

「今日は後任監督の決定的日ではない。クリスマス後に我々はどうするか決めるだろうし、発表するだろう。レオナルド? クリスマス後にわかる、約束する。ミランに対して無作法? そういう見方は不愉快だね。もしそう見えたら申し訳ないが」

(Milan News.it 10/12/24)


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↑CWC後の写真にベニテスがどこにも映ってないので
解任確実と言われた公式サイトTOP。ああ、レオ様がいるなんて。


そんなモラ会長のコメントが昼にあったのに、クリスマスを待たずになんと19時ちょっと前にインテル公式にてレオインテル監督を発表。競合するクラブがある選手のメルカートじゃあるまいし、なぜそんなフェイントを? おりしも家族で祝うクリスマスイブのしかも18:52という微妙な時間。私がカルチョ記者だったら「インテルってKY!」って恨むよw

ま、そんなこんなで実現してしまいました。2012年6月までの契約で結果次第で3シーズン目のオプションあり。年俸約250万ユーロ(ベニテスは300万ユーロ。しかも解任なのでインテルからの違約金などで500万ユーロ以上を荒稼ぎ。モラちゃんの無駄使いが復活です)。

このあたりの裏話として、レオが公式発表の前に恩人であるガリに電話をかけたとのこと。

Sky Sport 24によると、インテルとの新たな契約にサインする前に、レオナルドとガッリアーニとの間に電話連絡があった。ロッソネロ代表取締役は、元選手、マネージャー、監督である彼のネッラズーリの舵取りという新たな経験に激励を送った。ナビリオ運河の反対岸への移動には悪魔の同意を求められるに等しいので、これがミラニスタからのふるまいとしておそらく最後となる。そして、多くのロッソネリファンたちは、とてもポジティブなイメージを作り出していたレオの『裏切り』を良く思わないのは明らかで、非常な失望を引き起こしている。

(Milan News.it 10/12/24)


そうね。私は裏切り者とは思わないけど、うわーんやだよーと思うのは昨季のしょんぼりミランを応援していく際に、どれだけレオ様の笑顔と必死さに救われたか。その記憶が鮮やかなうちに、今度はインテルさんのためにそれが活かされるのが辛いのだ。

すぐさまサネッティが「僕は彼を良く知っている。インテリジェンスがあり、有能だ。監督として多くを持っている。彼のキャリアを通しての多くの経験とそれ以上の物を持っている」と歓迎。

さて、私がいよいよ決まりだ…と悟った時に感じたのはとにかく理屈抜きで「やーめーて」だったのだけど、決まっちゃった後はなぜなんだレオ!と考えた。ミランを不本意な形で辞めた後、ローマ監督の噂になった時は「イタリアでは監督をやらない。私とミランとの結びつきは強すぎるから」と言っていたレオ。でも、ベル爺を「ナルシスト」と切って捨ててた9月18日のロングインタビューでは…

—モラッティに呼ばれたら?

「我々は何年も前から知っている。常に情け深く私欲なくおつきあいしている。まぎれもなく、『全くないとは決して言えない』というあなた方(イタリア人)の言い方と同様の、はっきりした考えがあるということだ」

—元ミラニスタとして後ろめたさは?

「ミランは私にとって多くのものだ:選手、マネージャー、監督。ロッソネリとして13年間過ごしてきて、ある時点ではミランは私の永遠だった。しかし私は終わりにした。今年は皮膚を変えて、物事を公平な目で見る年にしようと思う。ミラニスタとしての目ではなく」

—インテルのレオナルド。それをガッリアーニがどう捉えるでしょうか?

「彼は私がミランとの契約を破棄することを尊重してくれたのと同様に、私の決断を尊重してくれるだろう」


って既に言ってたんですよね…。

監督就任して間もない時には初々しくこう言っていたのに、ベル爺との確執は相当なものだったんでしょう。

──何度も聞かれているかもしれないけど、正直、今の仕事に就いたことを後悔することはない?

【レオナルド】おかげさまで、その問い掛けにはかなりスムーズに答えられるようになったよ(笑)。もちろん、後悔はない。私は“ミラン・ファミリー”の一員だ。“父親”である(シルヴィオ)ベルルスコーニから「監督を引き受けてくれ」と頼まれたら、断るという選択肢なんて存在し得ない。ファミリーの一員である以上、ミランのために全力を尽くすのは当然のことさ。


思いがけなく開けたように見える監督の道だけど、レオは08年にイタリア国籍を取得した際にすでに、「将来セレソンかミランの監督やってもいいかな」と発言していて、ガリも「アンチェロッティが去った後の候補の中に入る」。その後の運命を予感させていたのでした。

インテリジェンスあふれるレオだから、インテルの監督になったらどういう事になるか、世間がどう思うかは重々わかった上での決断。私にレオの本心はわかりませんが、想像するにまず第一に、以前から監督の道を歩もうとしていた彼がミランでチャンスを得た後、(ローマでは物足りなかったが)インテルなら重要なキャリアを積める事。ライバルへの移動というタブーは、ベルルスコーニとの完全な決別により、ミランに義理立てする気も必要もなくなった事。

ミランを辞めてからのインタにあったように、もうレオは『ミラニスタ』ではなくなってしまったのだから、サッカー界に生きるプロフェッショナルとして、千載一遇のチャンスをつかんだって事なんだと思う。1年前はライセンスも持っていなかった監督素人がミラン監督を経て、インテルの監督に抜擢ってすごい事ですよ。どちらもすんごい状況を引き受けることになるわけではあるけれど。

Gazzettaに「レオは裏切られたのか、裏切り者か」というコラムがあったけど、「ベル爺に裏切られたから、ベル爺を裏切った」ってことじゃないかなーと私は思う。裏切り者とののしったり悲しみに沈むファンもいると思うけど、浮き草のようにはかないファンという存在全てにまで責任取れというのはあり得ない話。レオにはレオの人生がある。

以下、レオについてのいろいろな人の意見を。まずは自身がバレージと同等のインテルのレジェンド、バンディエーラでありながら引退セレモニーもなし、背番号2も約束された永久欠番とならず、インテルの要職にも付かせてもらえなかったかわいそうなベルゴミさん(解説者として絶賛活躍中)。ま、ミランだって、ビリーも同じようなもんだ。引退セレモニーはチームメイトがやってくれたけど、クラブはビリーに対してちょっと冷たかった。

「私が彼のポストに? とても難しい…」

—ベッペ・ベルゴミ、あなたは決してインテルを裏切らなかった。レオナルドは裏切り者だと考えられるべきでしょうか?

「彼はワールドワイドな人物だ。5カ国語を話し、バレージでもマルディーニでもない。どちらにせよ、ミランはインテルで10年以上プレイした選手を決して取らないだろう。しかしモラッティはあらゆる事が他と違うんだ。もし獲得したいと思ったら、正当な理由は彼の頭の中にある(=他人の考えはおかまいなし)」

—あなたは同じような歩みをしたでしょうか?

「私にとっては難しい事だっただろうね」

—インテルのレオナルドをどうご覧になりますか?

「いいと思うよ。彼は勝ちとるにふさわしい全てを持っているし、監督受諾するのにふさわしかった。その申し出から逃げて失うべきではないチャンスだったんだ。それにレオナルドは監督たる人生を選んだ。ミランとの関係を切ってから(インテルへ入る)この道を選んだのだ。彼は力とカリスマ、インテリジェンスを持ち、モチベーターでもある。つまり今あるチームをより強くしてくれ、それをファンたちは評価するだろう」

—そして、ラノッキア獲得の後、レオと共にカカも来る事を望みますか?

「誰がカカを獲得したくないかね? きっとレオには選手を買い与えるだろう」

—監督としてのレオナルドをどう見ますか?

「良いよ。私は彼を高く評価している。彼は筋の通った人物だ。我々の息子たちが一緒にプレイし、カソリックでミサに行き、堅信式も一緒だったから、何年も前から良く知っている。そういった機会にこそ、人柄が良くわかるものだ。ある時、ちょうどボバンの引退試合でわかったんだが、レオの事を監督だと感じた事があったね」

(Gazzetta dello Sport 10/12/28 第9面)


モラ会長もベル爺と同レベルにクレイジーなお人って事、ベルゴミさんは痛いほどわかっているのですねw

次もレオを良く知るボバンさん。いつも愛ある辛口意見をミランに言う彼が、レオをどう評価するか興味津々だったのですが。

「ベルルスコーニへの返礼」

—ズボニミール・ボバン、あなたは決してミランを裏切らなかった。レオナルドは裏切り者だと考えられるべきでしょうか?

「まったくノーだ。彼は裏切り者じゃない。レオは選手としても監督としてもバンディエーラじゃない。彼はフランコ・バレージでもないし、パオロ・マルディーニでもない。どちらにせよ彼のミラニスタとしての歴史はそう長くはない。監督としてはたった1シーズンだ」

—ではなぜインテルを率いる事を承諾したのでしょうか?

「彼はビッグチャンスをつかんだんだ。だからこのため彼の決断は容認できる。それにレオは勇敢な人物だ。いやがらせをしたかったのではないと信じている。しかし確かにベルルスコーニに示したかったんだ。おそらく良い感じでミランを去らなかった事もあって。自分が良い監督で、それを彼に示したいんだろう」

—インテルで成功すると思いますか?

「うまく行くかどうか私にはわからない。うまくいくよう願っている。しかしこのようにケガ人が多いインテルの状態では非常に難しいだろう。CWCの優勝ではごまかせない。あれは最高レベルではないチームに対しての勝利だった」

—監督としてのレオナルドをどう思いますか?

「文句なし。彼は広い視野を持ち、懐深い性格で、どこでもすばらしいイメージを持っている。たとえこれがきっと特殊な選択だとしても、今回が一回きりのチャンスだとわかっているはずだ」

(Gazzetta dello Sport 10/12/28 第9面)


これとほぼ同じ内容のSkyによるインタで、

「ミラニスタとしてはちょっと残念だ。しかし人生は興味深いストーリーを紡ぎ出すものだし、これもそのうちのひとつだと思う。レオは多くの分野に造詣の深い人物で、彼の行く末を見守ろう。健闘を祈る。しかし、レオはマルディーニでもバレージでもないと言うべきで、したがって彼のインテルへの移行はあり得ることだ。うれしくはない。しかし受容可能な事。彼はインテルに結果をもたらすだろう。その結果はミランに何も与えられないだろうけどね」

(Milan News.it 10/12/25)


ズボさん、すっごく超ー同意だわー!w レオをリスペクトしつつ、でもミラニスタとしての矜持を崩さない。熱血&知性派ご意見番です。

この同じ質問、マルディーニさんにぶつけてみて欲しい。恐いもの聞きたさにw

最後に、ただいま『Globe Soccer Dubai』というイベントに出席するためドバイにいるファン・バステン様のご意見。SkySport24によるインタ。ちなみにこのイベントにセードルフ、カンナバーロ、カペッロ、バルサのロセイ会長なども参加。

「ひとつのファミリーから他のファミリーへ移るのは正しくない。それは裏切り者? 私の場合はイエス。私はミランで長年過ごしてきたからね。ミランに居て良かった。私に言わせれば、インテルもこういう考え方を持っているはずだ。レオナルドがネッラズーリを監督すること? それはまた別の話だ。彼はミランで長年過ごした選手じゃない。問題と共にミランを去った。私はミランと問題があった事は一度もない」

「昨年は(アンチェの後任の)噂がささやかれた。しかしなんのコンタクトもない。私は足首に問題を抱えていた。9月に手術をして、今は良くなったよ。将来は誰にも決してわからない」

「(現在のミランは)クオリティがある。しかしイタリアとヨーロッパで勝利するチームになるために成長しなくてはならない」

「イブラヒモビッチは違いを作れる。今年は何度もそれを成し遂げた。バルセロナでは異なる方法でプレイしていて、グアルディオラとの関係も良くなかった。彼は繊細なタイプだ。人々や監督の信頼を敏感に感じ取る。私とイブラの共通点? いくつかは。彼はよりグランデでより強くシュートする。私にとって、うまくやる事は彼よりも簡単だった。私はチームから助けられていたから。今のミランで、彼はもっと独力でやらなくてはならない」

「カッサーノはチーム内でお手本を持つべきだ」

(Gazzetta dello Sport 10/12/28 第6面)


足首手術して、コンディションは万全! バステンさんの「オレにミラン監督を」強烈アッピールを感じますw いつかはバステン監督って呼ぶ日が来るのかな。

Goal.comではバステンさんが「レオを『裏切り者だ』と言った」ってなってますけど、ま、ちょっとだけニュアンスが違いますね。

という事で、最初の驚きが過ぎた今はレオの適度の活躍(リーグ3位とバイエルンだけは撃破)をお祈りしつつ、できるだけ早くセレソン監督にグレードアップして、インテルさんちで笑顔を振りまく姿が目に入らないように、お願い! あの最高の笑顔が私たちミランのものじゃないのが辛いの〜!

※追記

ガッリアーニ「レオナルドがうまく行く事を祈っている。彼は何年も私と共に居たのだし、監督として昨季はみんなのためにとても良くやってくれたのだから。彼は我が会長と相容れない戦術的アイデアを持っていた。しかし、対話による歩み寄りはあるべきだ。とは言っても、会長は自身の意見を述べるが、彼の協力者には最大限の自由を与える。ある種の理解不可能な事があったのは残念だ。二人の関係はもう最初のようなものではない。レオナルドは偉大な選手で、マネージャーをやり、ミラン基金の仕事をし、監督もしたのだから残念だ…。残念だ」

「私は『senatori(長老たち)』としばしば話す。選手獲得の事も。いつもクラブが決定するにしても。このタイプの選択を分かち合って来たベテランたちのグループと(レオナルドを監督にする際)会談した。私は良かろうと悪かろうとその責任は持つ:レオナルドの問題については、アンチェロッティが去るだろう事を知った時、私はベルルスコーニにレオナルドが良いように見えると話した。彼が手を挙げ、私にその手を差し出し、承知したと言ったのだ」

(Mediaset.it 10/12/27)