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パオロ×セルヒオのウキウキ対談 後編

前編の続き。

カルロス・カルピオ(マルカのチーフライター 以下C.C.):「あなたに関して言えば、ケガはもうひとつの大事な一面です。セルヒオは昨シーズンは不運に泣き、痛んでいたり、注射をしながらプレイする機会がたびたびあって、彼のパフォーマンスは低下しました」

P.M.:「もちろん、それ(ケガに注意することも大事)も真実だ。しかしケガすることはコントロールできないよ。自分のせいじゃない。セルヒオ、どうだった?すごく苦しんだ?」

S.R.:「うん、それにたくさん試合があったのも良くなかった…。それで僕は恥骨に問題を抱えて、それから腱をケガした。ストップさせられたあの3ヶ月間で、僕はそのゾーンを強化する時間を得たので、今は調子が良いんだ。今は誰もが僕をセンターバックにさせようとする。でも僕は監督に言われた場所でプレイするよ。なんの問題もない」

P.M.:「僕は最初サイドバックでプレイし、それからセンターバック、そして最後にまたサイドバックへ戻った」

C.C.:「それで、そんなにポジションを変えることで、不安定にならないのですか? センターバックになったり、サイドバックになったりで、そのポジションのために必要なオートマチズムを選手が獲得する妨げになりませんか?」

P.M.:「そうだね、僕は2つのポジションをプレイするのが好きだった。僕らは獣のように訓練されたから、とても一生懸命やって、そのことがフォーメーションをフルに理解することになった。そして、攻撃することと守備することの全てをサイドでできるとわかったんだよ。センターバックとして守備のプレイをするのとはとても違う。僕は右ウィンガーでもプレイしたことあるよ。ゴールキーパー以外は、全ポジションやったってのが真実ってとこかな(笑)」

S.R.:「僕も左ウィンガーとしてプレイしたよ。あれはバルセロナ戦だった。メッシが右から切れ込んだ。彼をカバーするために僕がそこに送りこまれて、そこでプレイしたんだ」

C.C.:「そういうポリバレントさ(複数のポジションをこなすこと)は、監督たちがサッカー選手において大きな価値を認めるクオリティですね」

S.R.:「そう、そうなんだ。僕は指示されたポジションに適応する」

P.M.:「そのとおり。でもひとつ認識すべきことは、サイドを変えてプレイすることは難しいということ。左右のセンターバックではちょっと異なるのと同じようにね。各ポジションで、それぞれのニュアンス、小さなコツがあるんだ」

C.C.:「パオロ、君が始めた頃と比べて、今のサッカーはすごく変わった?」

P.M.:「うん、とても。最近のサッカーは80年代終わりや90年代始めのサッカーとは非常に異なっている。今、チームはよりフィジカル的に強くなっている。サッキとカペッロのミランは、すでにそういう面でとても励んでいたけれどね。チーム全員が高いフィジカルレベルを持っていたんだ。あれは印象的だった。それに加えて、ファン・バステン、フリット、ライカールトや他のメンバーのテクニカルなクオリティも欠けてなかったよね?」

C.C.:「あのチームはサッカーに革命を起こしたね。誰もミランがなし得た同調性を持ってディフェンスしたところを見た事がない。練習でサッキが4人のディフェンダーを置いて、それに対してチーム全員で攻撃したっていうのは本当? 最近バレージが語ったことだけど、17人の選手たちで攻撃したと言ってましたよ。多過ぎると思うんだけど、違う?」

P.M.:「バレージの言うことはみんなほんとの事だよ(笑) まあ、実際には17人じゃなくて、10人だったって訂正しないとね。でも、試合最初の5分間は決してゴールさせなかったよ。すぐに僕らはズタズタにされた。それに、その10人は他の誰でもない、すごく良い選手だったんだから。あの実戦練習はすごかった、una palizaだった」

C.C.:「タッソッティ—バレージ—コスタクルタ—マルディーニ。サッカーファンたちはあのディフェンスラインを暗唱します。4人のサッカー選手たちが、たったひとつのように動いていました。」

P.M.:「そのとおりだ。でもその裏にはたくさんの練習があった、とてもたくさんの。ひとつのエピソードを披露しよう:一年前、僕らは親善試合でプレイするために集まって、信じられないことが起きた、予想していなかったことだ。僕らは4バックを組み、いつものように位置についた。僕らは前もって打ち合わせもせず、練習もしなかった。そんなことを考えることなく、試合に入って行った、まるで時が過ぎていなかったかのように。そこにはバレージがいて、ポジションを取り、真剣で、とても集中していた。全然話さなかったけど、わかるだろ? 言葉はなかった。全く。口笛で指示を与えるフランコがいた。それに他の僕ら3人も、やるべきことがわかっていた。マウロとアレッサンドロと僕は彼を見て、こんなに長年経っても、見るだけでわかり合い続けていた。言葉が足りないことはなかった。時が止まっていたかのようだったよ。すばらしかった」

C.C.:「驚嘆すべきことですね。そんな関係はもはや全く見ることができない。今はもっと忘れやすいものです」

P.M.:「だから、練習に次ぐ練習以上の秘密はないんだ。インスピレーションでプレイしないものだ。あの同調性の鍵は、僕らがしたおびただしい練習量にあった。それはとてもハード、とてもハードなトレーニングだった」

E.I.:「その成功にミランラボはどのくらい影響していますか?」

P.M.:「ミランラボは10年前に生まれたもの、いや、もっと前かな。トレーニングとケガの予防にとって非常に重要だ。ケガを避けることは難しい。鍛えられ、強化されることは運の問題でもあるから(指をクロスして、微笑む)。僕らは個別にトレーニングし始めた。最初はひとりで、それから一緒に。例えば、僕はガットゥーゾのフィジカルの特徴を持っていない。だから違う個別練習が必要だ」

E.I.:「じゃあ、現在のマドリーではどんな練習がされているの、セルヒオ?」

S.R.:「そうだね、パオロの言ってるのと同じだよ。前はそういう先進的なことをしてなかった。でも今はMadrid TEC(訳者注:ミランラボを参考にしたらしい)があって、回復と休息に関する観点が重要なんだ」

P.M.:「試合後の練習も鍵なんだ、セルヒオ。僕らはいつも試合後に走る。今は試合翌日に負荷をかけたトレーニングをしていて、これで僕の足はとても良くなったんだ」

S.R.:「僕らはしていない。試合後の日は足を解放し、ストレッチやジョギングだ…」

P.M.:「じゃあ、試してみるべきだ。役に立つこと請け負うよ」

S.R.:「君が言うんなら、とても役立ちそうだね…。ポケットに5つのチャンピオンズを入れてる君が言うんだから、気を止めなくちゃならないんだろうし、言う通りに練習したらはっきりするね(二人で笑い)」

P.M.:「それに、8回の決勝進出だ!どう? これを忘れちゃいけない、これも意味あるね(さらに笑い)」

S.R.:(憧憬の口笛を吹き)「Madre mía(なんてこったい!)、5度のチャンピオンズ優勝に8度の決勝! もうため息もんだよ。間違いなく」

C.C.:「その半分でも獲得したら、きっとため息ものなんじゃない?」

S.R.:「もちろん、もちろん。間違いない」

P.M.:「今、何才なの?セルヒオ」

S.R.:「え? 23才。でも僕にはまだ時間があるって思ってるけど?」

P.M.:「もちろん。僕の最初のヨーロッパカップ獲得は20才の時だった。僕の場合良かったことは、20年以上のキャリアをずっと通して、まんべんなく優勝カップを獲得できたということだ。そして、これは自分に多くのことを与えてくれた。これはとても重要なことだ。自分の全キャリアを通じて、トップレベルで居続けた証しなんだから。これは本当に誇るべきことだ。僕はそう思っている」

C.C.:「パオロ、最初のタイトルか、最後のか、どちらがより記憶に残っていますか?」

P.M.:「たぶんカピターノとしての、最後のだ。最初の時は若かった。また違うメンタリティを持っていたし、いつキャリアの最後が来るかさえわかっていなかったものだ。カピターノとしてビッグイヤーを掲げることは、何かとても偉大なことなんだ」

E.I.:「キャプテンの話題ですが、セルヒオはすでにレアル・マドリーの第4キャプテンで、あと数年で第1キャプテンにもなれるでしょう。キャプテンの責務を負うために、マルディーニが彼に贈りたい助言は?」

P.M.:「ミランやマドリーのような偉大なチームのキャプテンになることは困難で、簡単なことじゃない。僕にはバレージというお手本が居た。彼は多くを語らなかった。これは僕はまったく違った。僕はチームメイトたちともっと話して、語り合い、チームに関するあらゆる彼らの意見を知る事を好んだ。どんな場合でもそれに時間を割いた。でも最も重要なことは、ピッチで、練習で、全力を尽くすこと、ピッチの内外でその行いがお手本となることだ。これが本当に重要なこと、そしてたくさん話すことを惜しまず、まず手本を示すこと。必要な状況に応じて、はっきりと話すことが必要だ。でも、チームメイトたちと話すことは必要だよ、セルヒオ。メディアとじゃなくてね(二人で笑い)」

S.R.:「ノー、記者たちとはあんまり話さないよ。新聞やラジオで、すぐにたくさん悪意のあることを言われるからね(笑)」

P.M.:「僕もメディアに批判された時期があった。君と同様に、何年間か調子を落とした。僕も恥骨炎、かかとの痛みなどのフィジカルの問題を抱えていたんだ…。僕にとってトップレベルのサッカーは終わったとみんなが言ったことを思い出す。それから、その時の僕がたった20才だったこともね!」

S.R.:「そして、今あなたがどこへ到達したか、何を獲得したかを見ると…あなたを引退させたかったなんて、信じられない!」

E.I.:「パオロ・マルディーニはセルヒオ・ラモスをミランへ連れて行きたいですか?」

P.M.:「ああ、もちろん! 疑いなく」

E.I.:「それで君は行きたい?セルヒオ」

S.R.:「ミランは偉大なクラブだ。間違いない。でも僕はレアル・マドリーで幸せだ。僕は3年間の長期契約をしているし、ここで成長していきたいという大きな望みを持っている。なるようになるさ。このクラブは僕のことをとても考えてくれている。でも先のことは誰にもわからない。もし僕がミランで現役を終えなくちゃならないとしたら、喜んでそうしたいな」

P.M.:「じゃあ、期待しておくよ、セルヒオ。迷わずにね」

(MARCA.com 09/11/16)


ミランは年とってから移籍して来る引退用養護クラブかいっ!と、ラモスにはツっこみたいw

ああ、それにしても、時が過ぎなかったかのようなグランデなディフェンスラインの話が最高。永遠のカピタノ、バレージ様が無言で吹く指示の口笛がかっこよ過ぎ。まるで1人のように動く4人がかっこよ過ぎです。