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羽ばたいていったズラタン

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昨日18日現地時間15時からのPSG記者会見にて、まずは「次世代のピルロ」と期待されているセリエBペスカーラのヴェッラッティのお披露目。アンチェのチームなのがとても救いですが、ビッグネーム獲得し続けるPSGの中で実戦経験積んで順調に育っていけるのか、イタリアのリーグにとってはもったいないお話。

ヴェッラッティの「おそらく外国では若者をもっと信用してる。イタリアの若者にとってイタリアだけが活躍の場じゃない。外国が才能ある選手を歓迎するように、イタリアは若者をもっと起用すべきだ。PSGは僕に本当に関心を持ってくれた唯一のチームだった。これはチャンスだ」というコメントが哀しいな。ペスカーラ監督はストロッパだけに、ミランの関心はなかったのかしら。

ヴェラッティとイブラ加入のPSGニュース動画はこちら→

リアルタイム映像を見ていましたが、続いて記者会見場に入り、一瞬笑顔を見せて席についたイブラ。これは見ててやっぱりきつかった…。とても落ちついて見えるのは私の気持ちのせいでしょうか。それとも30過ぎてオトナになったから?

以下、会見の様子、いくつかの記事をまとめて訳しました。イブラが見せてくれたミランへの親愛の情とこれからの未来に向けた抱負は素直に受け取りたいと思います。ありがとうズラタン…。

PSG会長「ズラタンをゆずっていただき、シルヴィオ・ベルルスコーニとアドリアーノ・ガッリアーニに感謝している」

イブラ「とうとうPSGの選手になったよ。これは俺のキャリアにおける大きなステップで、さらに夢がかなった。メディアレベルでは移籍はこれまでさんざん語られて来たが、いい結果になった」

「パリに来て、すぐに俺の身に起きていることを理解した。これはとても興味深いプロジェクトで、PSGが最初にコンタクトを取ってきた時から参加したいと思っていたが、本当に実現するかはまだわからなかった。他のなにものでもない、ここには勝利するために来た」

イブラ「ミランに移籍してきて幸せだったと言える。ミランのことはずっとすばらしい思い出としてあり続けるだろう。彼らは俺と家族を助けてくれたし、とても居心地良かった。ミランはずっと俺の心の中に残る。ミランについてネガティブなことは何も言いたくない。感謝するし、みんなに幸あれと願う。彼らは俺が加入する前からビッグクラブで、これからもそうであり続けるだろう。俺はあそこで全力を尽くした」

イブラ「今日、俺はここに居て、俺自身が契約書にサインした。ミランとの契約が最後になるとかつて言ったことがあるが、サッカーではこういうことも起こり得るとはわからないものだ。今日俺はここに居て、ここでは勝つ事を考えたいと思う。ここでキャリアを終えるかどうかを考える時期にはまだ遠い。いま俺はここに居る。過去のことじゃなくて、これから何をするか考えたい。重要なことはそこを去る時に何を与えたかということだ。俺はまだ勝てることを願っているし、まだ勝ちたい」

イブラ「これは俺自身の選択で、ミランの誰の影響も受けていない」

レオナルド「我々はPSGの歴史に大きな足跡を残す契約をした」

イブラ「俺はドリームチームへ来たんだ。これが未来であり、俺はそれを信じる」

レオナルド「この取引の話は長い。この4日間の話ではなかったのだ。ミランがズラタンを売ったのではない。PSGがイブラを獲得したということ。イブラヒモビッチの移籍でPSGのメルカートは終了だ」

PSG会長「我々はドリームチームを作り上げているところだ」

イブラ「このチームはかつて俺がプレイしたことがあるチームと同じレベルだと思っている」

イブラ「我々には勝利が必要だ。そしてそれが俺がここに居る理由だ。チアゴ・シウヴァの契約も忘れてはならない。彼が俺たちのディフェンスに居る限り、後ろを気にする必要はない。落ちついていられる。誰と対戦しようと、俺たちは勝たなくてはならないし、勝つだろう」

イブラ「ミランでは幸せだった。前にも言ったように、彼らは俺に笑顔を取り戻してくれた」

イブラ「俺たちは成長し続けるだろうし、ビッグになる。リーグアンと世界を制覇する。新聞上では俺たちはもうトップチームだが、それをピッチの上で見せなくてはならない。すでに偉大な選手たちとヴェッラッティのような若き才能がいる。俺たちのようなチームはそうたくさんはない。人々が信じ始めたら、おそらく俺たちはトップ3のクラブとなる」

イブラ「レオナルドが背番号を選ぶ。まだ決めてないんだ。彼に言われた番号をつける。俺はここに来た。今度はまだもっと幸せになるために彼にしたがうよ」
(ズラタンが背番号についての記者からの質問に答える前に、誰かがイタリア語で「何も話さないで」と言った)

レオナルド「イブラが何番をつけるかって? それを選ぶのに少々時間がかかる」

イブラ「チームやリーグアンのことはあまり知らない。だけど俺はそのためにもここに居る。もっと知るようにするよ。フランスの人々はサッカーが好きだ。俺のことも同じく好きになるよう願っているし、もっとよく知って欲しい」

イブラ「ここ数日のこと? PSGがミランとコンタクトを取った最初の日に、あとはディテールの問題だと理解した。だけどそれは俺の仕事じゃない。俺はサッカーをプレーする。それでイビザ島へ行った。そこではみんなが俺につきあってくれる。この数日間は充分リラックスできた」

イブラ「俺がモナリザ(『Gioconda』=モナリザの原題で、イタリア語で喜びの意味も)みたいだって? 俺の代理人はスポットライトを浴びるのが好きなのさ。きっと俺にちょっとプレッシャーを与えてるんだろうけど、確かにそういうプレッシャーはうれしいが。俺が勝てたら、周囲のみんながどれだけ幸せか。そのエンジンの役割はクラブだ。スターがいることはその次のことだ」

イブラ「俺には将来性を見いだせなかったからイタリアを去った。ここが未来だ。イブラとチアゴの移籍はミランにとってだけでなく、イタリアにとっても大きな喪失だ。セリエAはよりつまらなくなるだろう。イタリアでは物事がどんな風に終わるかわからない。ある時は可能に見えたかと思うと、そうじゃなく終わったりする。人々がなにをしたいかわからないんだ。でもなんとかするだろう。あそこで起きていることは彼ら自身の問題だ。俺はいまここにいる。最終的には俺とシウヴァがいなくてもクオリティは保たれるだろう。リーグアンの方がもっとおもしろくなるだろうけどね」

イブラ「俺はスウェーデンに生まれたが、ちょっと普通とは違う感じで育った。俺の家族は伝統は一緒だが、父はムスリムで、母はカソリックだ。でも俺は宗教は信じない。自分自身に従っている。サッカーは(いわゆる一般的な)宗教じゃない。どこの誰からも歓迎される宗教だ。これが俺の宗教だよ」(記者席から拍手)

イブラ「マックスウェルはいい友達だ。これで一緒のチームが4つ目なんだから、俺がヤツの後を追いかけてるみたいに見えるよな」

イブラ「ずっと武術が好きだった。小さい時に父が見せてくれたんだ。それ以来、ずっと俺の一部になってる。なんで武術よりサッカーを選んだかって? サッカーをやる方がうまくなると思ったからだ」


↑会見後にはエッフェル塔の前でサービス!


「俺はここに居る。勝つために」。自分に言い聞かせるように、前を向いているイブラ。

今日、イブラはUSAツアーにはまだ同行せず。おそらくオアロの付けている9番がイブラに渡される模様(USAツアーに同行し18番をつけ、さっそく2試合2得点をあげています。ネネの10番を欲しがっているという噂も)。

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↑twitterであきさんがもうコラージュあるのを発見してくださった。
ヘアスタイルが真ん中わけにしてたこともあって、妙に違和感ない〜w


イブラ=モナリザ(Gioconda)説は、13日にライオラが『SPORT-Expressen』のインタビューに答えたものを『レキップ』が紹介。ライオラ「人々が言葉を失い、遠くから憧れの目で見るだけの、そんなモナ・リザのように世界一有名な絵でも、いつか売られる。そしてそういう芸術品を得る夢を見ることができるPSGやシティのようなクラブがある。PSGはズラタンを獲得するという夢を実現できる」というコメントから。

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↑ガッツポーズやり過ぎて、腕を痛めたなんてこともあったなー。
いつだって全力で勝ちにいく男。


…これでお別れ。もうミランでのイブラが見られないなんて、ほんとうに実感が沸かないのですが、一番思い出されるのは決めた後の、あの大鷲が羽を広げたようなポーズ。そこへ、わー兄貴〜!っとばかりに取り囲むチームメイトたちの図。

ひとりでなんでも高いレベルでできちゃうがゆえに、外から見てた時は俺様キャラの問題児…な印象だったけれど、応援する側になると、そのプレーはむしろ他の選手が一緒に同じレベルで戦って欲しいという強い要求に裏打ちされていて、けっして自己中心的なものじゃなかった。しかも守備にも貢献するようになっていったのも印象的。そして得点王にもなってしまうオールマイティさ。炸裂する変態的にうまいプレー。柔らかさと強烈な強さ。

試合中に仲間に文句言うのも、勝ちたいため、そのために自分と同じくらい全力で高いレベルでプレーして欲しいから。そんなことがわかったのもミランでじっくり見たからだなあ。特にカサ坊とのボールでの会話は楽しそうだった。カサ坊だって、トッティ以来の頼もしい兄貴だったんじゃないかな(年下だけどw)。カカ&シェヴァ、ピルロ&ピッポ、パト&ロナウドのように、最高の組み合わせに酔いしれる時間ははかなく短くて、カサ坊&イブラもそういう思い出になりました…。

イブラが移籍してきた時にオシムが「ズラタンはもう少し鼻を低くした方がいい。それにはミランは最良の環境だ」って言ったのよね。それはピッチの内外での成熟という意味だと思うけど、(イタリアメディアでは今回はイブラの『初めて自分から出て行くのではない移籍』と言われているような)もしかしたら不本意な移籍かもしれないのに、ミランへの悪口はいっさい言わずに思い出として尊重してくれた、そんなところに現れていたように思う。そしてバルサで傷ついた心がミランで癒され、笑顔を取り戻す事ができたと言ってくれたことが最高に泣けてうれしいです。

ありがとうズラタン。アンチェ、マルが居なくなり、カカを金銭的に保持できなくなり、レオ監督になったあの時がすでにミランがチャンピオンズ・リーグを第一に狙いに行けなくなった斜陽の時期だったけれど、あなたのおかげで少しの間、以前のような夢を見ることができました。もう今度は厳しい現実を見つめて、そこそここじんまりなミランを楽しむ方向に行かなくてはならない。あなたの夢である(できればミランで取って欲しかった)ビッグイヤーが、ドリームチームPSGで近々手に入ること、わりと本気で祈ります(できれば決勝でミラン×PSGが実現するのが一番いいですけどねw)。