バルバラ「あと3年以上は待ってね」Mニスタの試練

ミランの将来がどうなるのか、しっかりしたプロジェクトはあるのか、それがわかれば今のしょんぼりな状態でも先を期待して我慢できるってものです。その重要な役割を担うバルバラの最近のインタビューを。

『FourFourTwo』誌のバルバラロングインタビュー全文をMilanNews.itが掲載許可もらって記事にしていたので、まずは以下に。

レディB「我々はトッププレイヤーをあきらめることなく、若手に焦点を当てる。自前のスタジアム? サン・シーロに代わる代替策を。新本部はみんなにとっての娯楽センター」

—あなたの父上がトゥラティ通りに来た時、あなたはまだ生まれていませんでした。ロッソネロに関する最初の思い出は?

「特にこれひとつという思い出ではありません。ほんの小さい頃から、父はほんとうによくサン・シーロへ連れて行ってくれてたものです。その時からミランの行く末に一喜一憂するのをやめることは決してありませんでした」

—あなたにとってミランとはなんですか? 心から愛するもの、ビジネス、それともそれらが全て一緒になったもの?

「その2つともです」

—いまのガッリアーニとの関係の本当のところは?

「数ヶ月前、確かにアドリアーノ・ガッリアーニとの厳しい対立が始まりました。でもいまはそれをポジティブに受け止めています。それはクラブの部門全てを見直し、これからめざましい変革をもたらすだろう有用な対立で、建設的なものでした。このクラブ共同体の解明と見直し作業は、ミランに有益であるだけではないだろうと確信しています。いま私たちの関係は良いし、協力関係にあります」

—サッカーの世界はまだとても男性社会です。サッカー界での女性をどう見ていますか?

「女性という立場はメリットとも付加価値とも思っていません。それは私が女性であるという単なる事実です。もっと先になれば、女性がサッカービジネスで重要な役割を担うでしょう。それにいまはもうクラブは企業であって、サッカーはまさにビジネスになっていますから。あらゆる企業において、女性の数と重要性が着実に増していますからね」

—ここ数年でイタリアサッカーはいかにして影響力を失ったのでしょうか?

「シーズンを追うごとにヨーロッパの大会を軽視していったからです。ヨーロッパの大会はメルカート資金を稼ぐもので、我々クラブにとっては利益のおける重要な位置を占めるものでした。2000年にはヨーロッパのクラブ総売上高トップ5のうち3チームはイタリアのクラブでした。いま我々は大きく背後に回っています。将来のサッカーのモデルは必然的に、スポーツ的な成功と、コマーシャル的結果を得る能力のミックスです。そしてピッチで最良の結果を出せば、ビジネス戦略の構築と効率を可能にするでしょう」

—見習うべき国は?

「ドイツです。自前のスタジアムとリッチなスポンサーを持ち、混乱なくすばらしいシステムを造り出した。見習うべきお手本です。整然として満員のスタジアム、活発な商業的発展、ピッチにはたくさんの若者。そして我々は、サッカーとは莫大なお金を稼ぐため人だけのためのビジネスではなく、多くの人に仕事を作り出すものだということを常に思い出さなくてはならない」

—ではあなたにとってサッカーは産業ですね…

「我が国にはおよそ80億ユーロの電磁子を生産するような事業のグループがあります。しかし特に製造業は国に100万ユーロ以上の税金を徴収されるような税制です。このために、そして熱烈な4000万人のファンたちに対する社会的価値ゆえに、ミランは他のクラブのように単なる娯楽でだけではいられないのです」

—スポーツの面でミランを再起させるためのアイデアを持っていますか?

「それはアドリアーノ・ガッリアーニの専門領域ですね。ミランは根本的再編成に直面しています。確実に変化したサッカーの新たな戦いに立ち向かうために、改善に努めているところです。私たちは世界中の新たなタレントを発掘することのできる協力者を編成することで、若手発掘に力を入れようとしています。でも大型補強、大物トップ選手獲得もあきらめてはいません」

—金を使わずに強いチームを作り出すことと、チームを強くするために金を作り出すこと。どれがあなたの道ですか?

「その両方です。目標は若いタレントがトッププレイヤーになる前に、我々にとっては保持することが難しいようなコストがかかる前にリクルートすること。そして収益を増やすこと、これが私たちにとって中心となるチャレンジです。こうして自己資金だけで運営できたなら、経営構造は改善し、もっと多くのトッププレイヤーを保持することができるでしょう。こういった長中期的なことの最初の成果がでるのは、3年より前ということはないでしょうね」

—セードルフを選んだことは父上との合意の上のことですか?

「いいえ。あれはセードルフのことをプロフェッショナルとしても人としても、ずっとリスペクトしていた父の選択です」

—ベルルスコーニ家ミランのベストな監督とはどのようなものか、そしてその理由は? それは彼のミランのシンボル的な選手ですか?

「特にひとりをあげられません。たくさんの人たちが私たちの成功に貢献してきましたから」

—あなたは若い女性で、ふたりのお子さんの母親です。毎日こなさなければならない仕事の山と、できるだけ長く彼らを愛しそばにいてやりたいという願い、そのふたつをどのように両立させているのですか? そして常にあなたにスポットライトが当たって、私生活のプライバシーが持てない、もしくは持ててもとても少ないことがどれほど厳しいことでしょうか?

「私は特権を甘受する女性です。子供たちを見守り私を助けてくれる信頼できる人々に任せることができますから。さらに私の母ヴェロニカと妹のエレオノーラというふたりの貴重な協力者がいます。だから私は心配することなく、子供たちのこと、彼らの動向を把握するのに、日中とても助けられているのです。私は幸運です。でもそうはいっても簡単なことではありません。仕事はどんどん増えていきますし、考え事、プレッシャーは常につきまといます。愛情は私の中心にあります。でも仕事は私が常にそこに存在することを求めます」

—2014年のイタリアで、シルヴィオ・ベルルスコーニの3番目の子供がミランの副会長で代表取締役となったことにはどのような意味が? この場合、ねたむ者たちはよくいらだってもいるものです。一方で、あなたを高く評価している人たちは、あなたは教育され、準備が整い、明確なアイデアを持ち、ミランの指揮権を持つ資質が非常にある29才の女性だと擁護するでしょう。

「誰でも意見を表明する権利はありますし、繰り返しになりますが、確かに私は特権的立場にいます。でもミランでのこの3年間に私が前進させた物事やアイデアを評価されるのは望むところです。討論は好きですし、批判が続いたとしても恐れません。ディスカッションや他の意見を聞くことも愛しています。でも、深く確信している時は特に決断を下すことが必要となります」

—イタリアサッカーのエリート幹部の恵まれた一部は重要ポストにしがみつき、化石化しています。ベルリンの壁の崩壊以前から協会の任を受けている幹部たちがいます:人としては尊敬するとして、いつ彼らをくず鉄回収に回し始めましょうか? あなたはそれに手を貸したいですか?

「年長者に対してこん棒をふるう世代の旗振りを、通常私はしません。もう若くなかったとしても、経験と価値がある人たちがいます。その経験と能力のおかげで付加価値があるのです。でもどんな変化でも阻止することが好きなグループの形成を避けるため、ある部署は常に交代することが望ましいのは確かです」

—スタジアム問題ですが、ミランが自前スタジアムを建設したいのは確かなことですか?

「我々がサン・シーロに代わる解決策を考えていることは確かです。しかしこの問題はとても入り組んでいるために、決断はまだなされていません。私の側近の協力者たちと共に、この数日まさに進行中の物事の掘り下げが必要とされています」

—売り上げの問題を解決するためには、スタジアムが効果的な道であると考えていますか?

「はい。自前のスタジアムを建設することです。イタリアのスタジアムは天候に影響を受けます。1990年のW杯のために設計されたものです。一方、現代ではスタジアムは試合の90分間のためだけでない、娯楽の場所にすべきです。一週間に7日間。たとえば、レストラン、バール、ジム、会合や会議のための部屋をお客様に提供できる施設の中で、サッカーの対戦で午後いっぱいを過ごす家族たちを見るとか、そういうのが良いのです。この方法でのみ、収益を伸ばすことができます」

—デルビーではトヒル会長に会いましたね;彼がしていることにどういった印象を? あなたにとってインテルとは歴史的ライバル?それともサッカー界の3番目の億万長者?他と同様のライバル?

「トヒルは親しみやすく、手助けしてくれる人物です。私は私たちのイトコに大いなる尊敬をいだいています。インテルは他のチームと同じには思えません。すごいライバル心があり、しかしミラノとミラネーゼの歴史的な一部であるリスペクトもあります」

—無作法なことに人種差別でクルヴァが閉鎖されましたが、それから彼ら自身のルールの適用を強要するのに役立たずなスポーツ裁定によって再オープンされました。この怪物に対して実行すると、再び約束することはなんですか?

「人種差別に関して私はこれまで何度も発言してきました。私にとってこれは許容範囲ゼロで罰を与えなくてはならないことです。あまりにも長い間、このことを見ないように聞かないようにしてきました。ボアテングの事件後、とうとう何かが変わったのです」

—FFPは絵空事?それともみんなに機能する規則一式? あなたは不安ですか?

「それがただのスローガンに終わるのか、それともほんとうに施行されるのか先になればわかるでしょう。確かなことはまったく違うマネージメントが義務づけられるということです。オーナーは損失をカバーする手段を大きく制限されます。そしてこれは私が望まないのではなく、この措置がもう私に損失カバーを許さないからなのです。どちらにしてもミランは他のイタリアのクラブと同様に、『現代性への挑戦』に勝つことを求められています。新たなビジネスパートナーを引き寄せ、頭角を現しつつある国に注目し、ブランド知名度を上げ、組織を改革し、全方位的にブランドをマネージメントし、国際的マーケットにおいて勝つための組織を作り上げることが必要です。そして特に収益を多様化すること。あらゆる努力とエネルギーをかけても、もうスポーツ面ではこれ以上収益を上げられることはないでしょうから」

—でもあなたはFFPの大筋に同意してるんですよね?

「いまやこのアプローチが唯一の可能なことですから。それにUEFAが罰を課するからというだけでなく、私もそう確信しているからですよ。いまクラブの出資の財源は、自身所有のものや自己資本からなっているのはたった9%のみです。借金は銀行にするけれど、いまやそれもとても厳しい。これは実際にサッカーを仕事とする人間がクラブを所有しないか、ほんの一部分のみ所有するかということを意味し、いつの日か銀行がもうサポートしなくなったら、この現実は夢と化してしまう運命です」

—クラブの成功の基準はピッチでの結果ですか?

「ピッチでの結果は決定的に重要です、がそれが全てではない。90年代終わりには多くのクラブがテレビ放映権料の収入を全て給料につぎこんで、建造物を改築して価値を生み出すためには使いませんでした。でもそれでは設備や開発のためには何も残りません。この意味において、アーセナルのようなクラブは正反対の考えに従いました:スポーツ的な結果よりも、より娯楽やコマーシャル的な結果を求めたのです。それを好きになれるかどうかは別にして、興味をもって見るべきモデルだと思います」

—あなたにとってサッカーは他のものと同様に娯楽ですか?

「そうとも限りません。ちょっとした成功(una affermazione riduttiva)です。でも私たちのビジネスはスペクタクルとエンターテインメントを提供することでもあります。とは言っても、サッカーはそれ以上のものでもありますね。すでに語る機会があったように、サッカーにおいては人々の間に社会、人種、政治、経済の違いが存在しません。サッカーはみんなを平等にし、みんなが自由です:ソウェト近郊の子供と同様にロンドン市街の管理職を絶望させ苦しませますし、東京の地下鉄の最後尾にいる職員と同様にリマのインカ人にも後半戦があります。サッカーは世界共通言語です。同じような物語の力、人々の間に一心同体となる力を生み出す何かを持つものは、この地球上で他にまだ見つかっていませんから」

—あなたが新たなミュージアムをオープンするというのは本当ですか?

「ミュージアムはいま進行中のプロジェクトのほんの一部分で、私がとても実現したかったものです。まず先に数ヶ月前にミランは本部の場所を変えました。いま我々のオフィスはモダンになり、イタリア人デザイナーFabio Novembreによってデザインされました。でも新本部は、来てみたい訪れてみたいと思うイタリア人でも外国人でもあらゆる人に開かれている魅力的な、まさに中心地となるでしょう。そこにはミュージアムの他に、ショップ、レストランもあります。すべてが革新的でデザイン化されたミランの象徴です。私たちのファンとミランとのふれあいがいつでもできるような場所になります」

(Milan News.it 14/03/31)


さすが政治家の娘だなあという受け答え。新本部『カーサミラン』の実現などここ数年クラブ内で力をつけてきた感じは実業家、実務家としての力量もありそう。ベル爺に帝王教育されて、経営者として順調に育ったのって長女マリーナと次女バルバラなんじゃないかと思うこの頃。長男ピエルシルヴィオはメディアセット副社長から昇進しないからコネ役職っぽいし。…などという勘ぐりはさておき。

文中に出て来た新ミラン本部『カーサ・ミラン』のメディアへのお披露目会見で、またバルバラがミランの将来について語ったので、それは次の記事にて。


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