待ってる、リーノ

ガットゥーゾ記者会見の動画(Mediasetによる14分超ロングバージョン)はこちら


↑calciomercato.comによるダイジェスト版。


昨晩、急にミラネッロでガットゥーゾの記者会見が開かれるとのニュースが目に飛び込んで、あせって、記者からのライブテキストをアップするというMilanNewsを追いました。以下、急いだので誤訳あるかもですが、メモ程度に。

ミラン医師タヴァーノ「リーノは眼鏡をはずずと二重に見える。イタリアだけでなくアメリカからも何人かの教授の診察を受けた。特にカンポ教授に。しかし適正な回復を2〜6ヶ月待たなくてはならない」

代理人ダミコは「引退の可能性はない。ガットゥーゾは彼に関する噂を否定したいと思っている」

リーノの親友元チームメイトGigi Riccoは「なにも重大なものじゃない。リーノは彼の健康状態をはっきりさせたいと思っているんだ」

代理人ダミコ「ミラン医師ダヴァーノと共に引退の可能性を除外する。目の筋肉とは違う問題については間違ってる。それで彼は記者会見を開く事にした」

タヴァーノ医師「ダービッツの時のように眼鏡着用の可能性もある。しかし彼の問題とは異なる。我々は専門家の助言を受けなければならない」

ガットゥーゾ「今は日常のことだけを考えている。カルチョは俺の人生の一部だ。しかしもっともひでえことはドライブしたり、子供を学校へ送って行ったりする日常のことができないことだ。引退の恐れもこわかったが、もっと最悪のこともだ。サッカーのことは考えなかった」

ガットゥーゾ「タヴァーノ医師とガッリアーニはすばらしかった。医師は俺を一日中ずっと追い続けてくれ、とても頼りに感じた。最悪のことも考えたよ。サッカーのことは考えなかった。俺は戻る。克服したいから」

新たなガットゥーゾについて「ロッカールームで自分が重要だと感じている。俺は眠ってる時だってやる気十分だ。それが俺のやり方なんだ」

ガットゥーゾ「俺がもしクラブやチームメイトにできるとしたら、いつだって準備オッケーだ。俺は自分をこのファミリーのラッキーマンだって思ってるぜ」

過去についてリーノ「昨年俺は避けられた2、3度のバカなことをやった。この性格を曲げられなかった。でも俺はそれらを避けられたんだ。散歩に出ると人々が俺のことを考え、よくなるように思ってくれてるのがわかる。俺は自分を真人間だと思ってるよ。面と向かって物事言わなきゃならないなら」

リーノ「俺がやる気をもってなにかする時、人々が俺のことを考えてくれるのはうれしい。この世界でマジだってことが最も重要なことだ」

不在について「俺は金持ちになるのをやめたし、クラブは俺にそうしないと話した。そういう風に終わるのを受けなかったんだ。人生は続く。前よりもっと強く出て行くために」

シモンチェッリについて「彼は人生を愛してた。いつだって他人のために貢献してた。昨日のイタリアはとんでもなく泣いてたよ」

ガッリアーニのメッセージについてリーノ「25日が過ぎた時にガッリアーニが俺にこう話した。ミランはまださらなるピッチでさらなる試合で俺を必要としている、と」。

最後のメッセージ「俺にまた会えるぜ。サッカー選手としても、他でも」

(Milan News.it 11/10/24)


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↑今日のGazzetta一面。メガネのリーノと、この会見の前日事故で亡くなったシモンチェッリ選手の
名が入ったユニフォーム。ミラニスタだった彼はパルマ戦のチケットを買っていたそう…。
隣には友人ロッシが彼の死を悼みながら、でも続いて行く…という記事。クリックで拡大。


以下は翌日のGazzettaの記事。

トンネルの中のガットゥーゾ
「良く見えなければ生活は辛い。でもあきらめない:俺は戻る」
もし手術をしなくてはならないなら、4ヶ月以内にわかるだろう。一方でトレーニングは続けている「俺は最悪な事態も考えた。今は改善した。乗り越える」


ミラネッロ発:サッカーに関してはほんの数日前から考え出したのみ。なぜならこの1ヶ月半、リーノ・ガットゥーゾの最優先事項は生活するのに新たなやり方で立ち向かうことでこんがらがっていたからだ。「俺が怖がっていたのはプレイをやめることだけじゃない。もっと最悪なことを考えていた。TAC(CTスキャン)のシリンダーに入って、腫瘍があるか心配だった時、考えたのは小さい息子のことだ。今は『そんな』最悪なことはないとわかったし、だからとにかくほっとひと安心の息をつくことができる。こいつを打ちのめしたいんだ…」。黒いフレームの眼鏡と、右と比べて非対称に見える左目。Gattuso ha l’espressione del combattente ferito che alle carezze dell’infermiera preferisce il sibilo delle pallottole.

不確かな時間 昨日リーノがミラネッロで記者会見を設けた時、みんなの思いは同じだった:ああ、サッカーへの別れを発表したいのだ。そしてそれは違った。ガットゥーゾはこの1ヶ月半苦しんできた問題をはっきりさせることを選んだのだ。なぜなら「いろんな意見をみんな読んだからだ。俺がもう見えないとか目を失うに違いないとかも」。会見ルームの彼のそばにはシモンチェッリの名前がついたユニフォームがあり、代理人アンドレア・ダミコは前に座り、彼の右にはロッソネロ医療部門責任者ルディ・タヴァーノ。彼が説明する:「リーノの左目はとても良く見える。視力の問題ではない。頭の中に腫瘍状のもの、発作、傷があるわけではないし、神経的病理もない。診断としては第6脳神経の麻痺で、その神経につながっている筋肉が動かないのだ。特に左から見ると、物が二重に見える」。ボローニャのEmilio Campos医師による現在の治療は、ボツリヌス菌注射が予定されている。回復の期間は仮定されていない。唯一確かなことは4ヶ月の間に状況の見定めをするということだ:ある時に神経が治るか、そうでなければ手術に進む。

—ガットゥーゾ、あなたの日常はどんな感じですか?

「見えない男との戦いだ。毎朝起きると、まずは正常な目が開く。それから悪くなって、『まだだ』って独り言いうんだ。だが最初は3重に見えたが、今は2重だ。だからちょっとは改善してる。サッカーはもう俺の頭の真ん中にはない。今は毎日の生活がもっと重要なんだ:運転できなくて、息子を学校に連れて行かれないのは最悪だ。テレビを見るのも、パソコンでメールを書くのも苦労する:物を見ると、本当はそれは別のとこにあるんだ。もし強い精神力がなかったら、こいつは厳しい」

—しかし練習はしていますね。少なくとも個別には。

「それは決してあきらめないっていう力を俺に与えてくれる。重要な意気込みを持ってフィジカルトレーニングに取り組んでいるが、ミニゲームには参加できない:ボールやチームメイトが見えないから、誰かを傷つける恐れがあるから。ラツィオ戦でネスタとぶつかった時、俺は彼が見えなかった。タヴァーノ医師は実際、俺をプレイさせたくなかった。俺は4日前からなんかシミが見えてたから。でも俺は彼に間違った答えをしたし、ピッチに入ったんだ。俺は酔っぱらったみたいだった。イブラヒモビッチが4カ所に見えたし、なにが正しい場所かわからなかった。ネスタとの衝突はピッチから出て行く機会だった」

—一度もサッカーから引退することを考えなかったですか?

「もしそういう基準が俺の年だっていうなら、そんなの笑っちゃうぜ。俺はまだまだ情熱や犠牲的精神を持ってる。フィジカル的に調子が良ければ、ちょいと頭に足をつける。俺は寝てる時にだってやる気に満ちてる。それにとにかくロッカールームに俺はいつだって居る。前と同じくキッチリな」

—チームメイトたちは何と言ってますか?

「深刻にならないように俺をからかうよ。特にイブラとカッサーノだな。最初、目は今よりも片寄ってた。これも重要なことだ」

—ダーヴィッツのような眼鏡を付けたならピッチでまたあなたを見られるでしょうか?

「彼の症状と俺のとは全然違うケースだ。でももしレンズが役に立つならそうなると信じてる」

—健康のような問題に立ち向かうことは人生をどう変えますか?

「俺はガットゥーゾと呼ばれる幸運を持っている。俺はなんでも可能にするアシスタントを持ってる、夜の2時にもタヴァーノにrompo le scatole(金タ◯つぶす? 慣用句らしい)、フィジカル的には動ける、雇い主は寄り添ってくれる。でも俺と同じ問題を持ってるが、2ヶ月もベッドに寝たきりになってたり、診療の金が払えない人たちがいるんだ。これが20才の時に起きたら、もっと最悪だっただろうな…とも考える。前よりもっと強くなって来るさ」

知ってるよ、その約束以上のことが確かなのを。

(Gazzetta dello Sport 11/10/25 第2面)


Gazzettaは良く知ってるよね。リーノが約束を守ることを。

以下はミラン公式。

俺はくじけない

人間味あふれ、スポーツ的に深く、感動的で真実の瞬間。主役がいるとしたら、それは今日のミラネッロのリーノ・ガットゥーゾに与えられる。

ミラネッロ発 タヴァーノ医師の発言「リーノは第6脳神経の麻痺をこうむっている。リーノは dieci decimi見えているので、視力に問題はない。問題が顕在化するのはゆっくりだった。症状はとてもゆっくり進み、ラツィオ戦の日にピークに達した。すぐに我々は助けになるに違いない専門家の意見を聞いた。腫瘍の可能性はなし、発作もなし、神経の悪化もなし、傷もなかった。まずは最も重要な問題を除外したのだ。我々はアメリカとも、イタリア語を話す神経外科とも連絡を取り、高名な神経外科医Coscarella教授にはマイアミでコンタクトを取り我々を助けてくれた。イタリアではまずはOftalmico研究所のFetebenefratelliへ行き、それからこれは初期の段階だがBestaへ、パヴィアで眼科の大学教授をしているBianchi教授へ、それから最新の診察ではCampos教授に、彼はこの問題では最も最良の専門家だと言われている。

回復時期は決定できない。自発的に普通の状態に戻るためにも、この状況の改善を吟味するために2〜6ヶ月待つ必要がある。ボツリヌス菌注射の治療は、リーノが左目で見ると二重に見えてしまうというこれらの症状を減少させつつある。これが示された唯一の治療法だ。ミランのメディカルスタッフと同様に、この決定に私は関わっていない。これは専門家によるものだ」

リーノ・ガットゥーゾ:「まずはマルコ・シモンチェッリのことを思い出したい。すごく愛しいほんとの思い出だ。彼が逝ってしまったのには傷ついた。このために一方ではこの45日間、俺が読んだあらゆる意見を思い出した。そのために俺たちはここに居る。タヴァーノ医師は問題をよく説明してくれた。今日は俺がサッカーを引退するじゃないかと心配された。打ち勝つために俺はそうしたくない。

人生には最悪なことがある。昨日はシモンチェッリの事を見た。俺は見えない敵と戦ってる。重要なのはくじけないことと前を向くことだ。(以下上記の重複部分省略)

これはネスタとの衝突で起きたんじゃない。俺はサンドロが見えてなかった。俺は試合になんとしてでも出たかった。

まだ4ヶ月待たなくちゃなんねえ。それから目の状態をちゃんとするための手術をすることになるかもしれない。ドクターたちはいつも俺を落ちつかせてくれた。火曜日にはボツリヌス注射の2回目だ。

すばらしかったのはガッリアーニさんにルディ・タヴァーノ医師。こう言ったからって怒んないで欲しいんだが、ルディはファン・バステンの(ケガの)ために、離婚の危機を迎えたんだ。俺にもこんな事が起こって、ちょっと運がないなあ。彼は俺のことをすごく支えてくれた。俺があなたを離婚させないように願ってるって冗談言ったんだ。これで俺たちがいかに寄り添ってるかわかるだろ。サッカーでは物事が重大な時はそれを頭から除外したって考えに戻った」

再びタヴァーノ医師「第6脳神経の麻痺の25パーセントは原因がわからない。我々は何度も自然治癒した、世にも稀な怪物について語っているんだ。もっとも憂慮すべき腫瘍の形というものがある。我々は(リーノがそれを持っていないと)確信を持つために2つの異なる神経外科で2回エコー検査をした。治癒はしばしば自発的な形で2〜6ヶ月で起こる」

リーノ・ガットゥーゾ「俺はロッカールームで自分を重要だと感じている。何年も経って、チームメイトたちみんなにとっての基準点なんだ。それに俺の性格がどんなのか良くわかってるだろ。寝てる時だってやる気まんまんだ。これは俺であるために俺の方法のひとつだ。もしクラブやチームメイトたち、それにあらゆる回りのために何かできるなら、俺はここに居る。ミランファミリーみんなにすごく良くしたいんだ。

問題はラツィオ戦4日前に現れた。熱があったんで、タヴァーノに電話したのを思い出す。ルディに言った。2、3時間、シミが見えるって。俺たちは9月10日に重要な診察をしなきゃならなかったんだ。でもそうしなかった。ラツィオ戦の20分は俺のキャリアで最悪な20分だったから。酔っぱらったみたいに見えたし、イブラヒモビッチが4つの違う場所に見えた。それで衝突がピッチから出る機会になったんだ。俺はいつも前に行け、止まるなっていう悪魔のささやきに耳を傾けちまうんだな。

チームメイト? 深刻にならないように俺をからかうよ。今は目はだいぶ普通になったが、前は片寄っていて、イブラとカッサーノは俺のマネをするんだ。俺の問題をからかって、深刻にしないために、これは重要だった。寄り目の俺を見て笑うやつはあまりいなかったが、カッサーノは楽しんでた。目の問題を楽しむやり方ってやつを見つけたのさ。

俺は昨年、2、3度バカなことやった。15年のキャリアがあっても自分の性格は妥協できねえ。でもあれは避けられた。でも人々と会うと、俺のことを評価してくれるのを知る。彼らは俺のことを考えてくれる。時には間違うが、俺はいつだって物事を面と向かって話して来た。それでこれが俺を好いてくれるんだな。マジなこと、これが一番重要だ。

シモンチェッリを見ろよ。人生を愛し、いつだって笑ってて、いつだって役に立とうとしてた。だから昨日からイタリアは信じられないくらいの愛で彼のことを泣いている。

俺はとても厳しい戦いをしている。クラブは俺をriccio(イガ=面倒ごと?)に近づけないと言った。タヴァーノには夜中の2時にも電話した。最終的にはこの問題から脱出することを願ってる。重要なのは俺の内部のことだ。それに本当に考えている、俺にとって最悪なことが何かはわかってる。続く人生、俺は希望を持つし、前よりも強くなって帰って来ると思ってる。20日が過ぎた時、ガッリアーニとタヴァーノがもうプレイできなくなる恐れについて話した。俺はそれをとてもよく受け取った。ガッリアーニはすぐに、我々は他の分野で違う形で君が必要だから心配するなと言った。これはすばらしいことだった。頼りになることだ。俺はまた自分をサッカー選手として見たいと願ってる。でもサッカーは俺の世界で居続ける、それは他の分野よりもサッカー選手として」

(A.C.Milan.com 11/10/25)


イブラとカサ坊!やっぱりいいな〜君たちが居てくれて。特にカサ坊があれだけ悪童でもどこか憎めなかったのは、こういうとこなんだなあ…。

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↑sesto nervo cranicoが第6脳神経。これが外側直筋とつながっている。


物が二重に見えるのは第6神経という眼を外側に動かす外側直筋を支配する運動神経の麻痺のせい。第6神経とは12対ある脳神経のうち、眼を外側に動かす外側直筋を支配する運動神経。それは脳神経の機能障害が原因と思われ、物が二重に見える徴候を伴う。目が寄り目になることで、そのような障害になり得る…とのこと。

治療にボツリヌス注射が使われるとはびっくりですが、原因がわからないことも多いし、自然と治ってしまうこともあるという、なかなかやっかいな症状。2〜6ヶ月の観察期間が必要とのことですが、もう45日が経っているので、あと約4ヶ月待って改善されなかったら手術となる模様。

記者会見ではしばしば、メディアで騒がれている憶測を否定するコメントが語られ、それを読むことでこちらでは知らなかったイタリアでの報道を知る事になりますが、今回も『リーノは目が見えない、目を失うかもしれない、引退するかもしれない』と言われていたらしい。

それからタヴァーノ医師のコメントが言い訳ばかりになっているのは、相当にメディアに叩かれたんだと思う。だから今までの治療がミランのメディコによるものでなく、専門家のものだと強調したいのでしょう。タヴァーノ医師はベル王朝となったミラン初期に在籍してた事があったから、ちょうどファン・バステンの足首の問題が発生し、治らずに引退に追い込まれたことと相まって批判されたんじゃないかな。そこを冗談を交えながらかばうリーノがめちゃ素敵です。

まずは日常生活、そしてできれば早くリーノの無茶なやる気全開プレイが見たいです。アッレグリにノド輪してやるのは君しか居ない。